リクルートで、後にいくつかの会社で、新入社員に贈った10カ条。「会社に慣れて少し疲れた中堅社員の方にも読んでほしい」と発信したりもした。
(中略)
いかなる名監督も名料理人も、初めからそうあったわけではない。
映画監督なら、照明や時代考証を知らねばならないし、いやその前に、助監督としてスタッフの弁当の手配から始めたのであろう。料理人も最初から料理そのものに参加出来るわけではない。まず皿洗い、後片付け。その後、ジャガイモの皮をひたすらむき続ける。ひたすら。そのことでわかる何かがある。
そこで掴んだものを提げて次のステージに向かう。この段階がお粗末な人は、モノにはならない。
「自分はこんな半端仕事のために会社に入ったのではない」……そういうエセエリート意識は捨てよ。
この1年、黙ってジャガイモの皮をむけ。
『暗い奴は暗く生きろ』
- 著者
- 生嶋 誠士郎
- 出版社
- 新風舎/22世紀アート
- 出版年
- 2007年